君に、この声を。



「でも――」

「城山。もうそろそろ大葉を席につかせてやってくれないか? 大葉がかわいそうだ」



私の言葉を、先生が遮った。


先生の言葉に、いろんなところからクスクスと笑いが聞こえる。



前に座る怜は、「ドンマイ」と口パクで言ってくる。




私、もしや笑いの渦の真ん中にいる?



嫌だっそんなの!


新学期なったばっかりなのに、なんでこんなに恥かいてんのよ!


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