14個の君の物語<短編集>
びっくりしたように父と母があたしを見る
何?その顔……
あたしが聞きたいよ
あたしは、存在していいの?
「……ねぇ、何泣いてんの」
母の目からポロポロと涙が零れた
その目には嫉妬の色ではなく数年ぶりに見た優しい母の目だった
「……そんなに、変、かな?」
あたしには何もないから
あの日からあたしには愛情なんてないから
ください、ください。
望んじゃいけないのは分かってる
でも優しくしてよ…
今だけはそう言わして