チッサイ、オッサン
それでもなんとか出社したもののなにも手につかず、オッサンの呪縛に俺はずっとおどおどしていた。


そしてもうすぐ仕事が終わる今、昨日の惨事を誰かに相談したいと猛烈に悩んでいる。


でも職場の誰かにそんなことを言ったら、明日からきっと全員に残念な目で見られるに違いない。


男女関係なく噂好きの多いこの会社で、オッサン話は絶対にタブーだ。


無意識にデスクの書類に呪い、祟り、カップで入浴と走り書きしていた俺は、悩んだあげく一人の同級生を思い出した。


「近藤なら!俺を助けてくれるかも!」


もともとあんまり仲良くもなかったし、卒業してから全然連絡も取っていないけど。


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