好きになっても、いいですか?


「どうだったんだ?」
「あ、いましたけど……もう少しで戻るような感じでした」
「?……まぁいい。じゃあ敦志、これまとめてくれ」


純一が、麻子に指示しようとしていた資料を敦志に渡す。

先に戻っていた二人だったが、麻子が『すぐに』といったわりに時間がかかってることが気になり、敦志が様子を窺いに行っていた。

そして、清掃員との一部始終を見ていた敦志は何も言わずに戻ってきたのだった。


「――彼女は本当……」
「ん?」
「いえ……なんでもありません」


敦志が何かを言い掛けてやめると、純一は一度顔を上げたが、すぐに目の前の書類に視線を落とした。


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