好きになっても、いいですか?
「もしもし」
通話を始めた時に、二人の男はそれに集中して麻子と麗華は草むらに座らされた。
麻子は目を盗んで、緩くなっていた口元のタオルを肩でずらして外すことに成功した。
しかし、手は未だ後ろに縛られたまま。
麗華の手は勿論、口も自由にしてあげることが出来ない。
「え?ああ、ああ……わかった。それで……」
電話の声を気にしつつ、麻子は麗華を見て小さな声で言った。
「一斉に走りましょう。通りまで行けば、私が声をあげるわ」
しかし、麗華の顔は沈んだまま。
妙なところで頭が働くのだろう。この拘束された手と、ヒール。相手は男となれば、走ったところですぐにまた捕まると言うことを。
命すらどうなるかわからないのなら、いっそ大人しくしていた方が身のためだ、と。
そうして麗華は目を伏せて、小さく首を横に振った。