囚われの姫




「よくアルク様も一緒に鬼ごっこやりましたよね」


「えぇ…そうですね…」


しばらく土を踏んでいないティアラは昔の記憶に思いを馳せるかのように、自分の身長よりもはるか上に位置する鉄格子のかかった窓に目を向けた。



その様子を見てアルクの中の想いは…また一段と大きくなる。


こんな牢屋に入れられても捻くれることのない優しさ。

そして…光を失わない澄んだ目。




ティアラ様を救い出したい…。

この暗く冷たい監獄から…外の世界へ連れ出してあげたい……。



それらは…アルクの心の中で誰にも知られてはならない気持ちへと成長していたのだった。





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