囚われの姫



ティアラはこの数日間の城内の慌ただしさを敏感に感じとっていた。



軍事演習をしているような、士気を高めるかけ声と、きな臭い火薬の臭い。


外を覗くには小さな窓は、ただでさえティアラが背伸びをしても届かないほど頭上にあるから、外は見渡せない。



だからこれは…全てティアラの勘。




それに…彼女が、戦が始まることを確信した理由は他にもあった。





それは毎朝、朝食を届けてくれるアルクの小さな変化だった。



< 24 / 107 >

この作品をシェア

pagetop