囚われの姫





「………ラ………」


(……っ…だれ…?)





「ティアラ…朝よ?起きなさい。」




鈴の転がるような柔らかな声はどこか楽しそうで…。



この声は………。




(………お母様…?)



横たわるティアラを包む暖かい太陽のように優しい香…。



(…!お母様だわ!)




でも…目を開けたいのに、瞼は重いまま。



力を入れるが、誰かに抑えつけられたように動かすことができない。






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