囚われの姫




離宮の広間に近づいて行くと…何やら喚き声のようなものが廊下にまで聞こえて来る。



「あの…、この声はいったい……?」



心配そうな声をあげるティアラにマクサスは大丈夫ですよ、と微笑みかける。



「シャターナの兵士が控えております。

我々もおりますし…何よりリューン様がいらっしゃいます。」



それでも…マクサスも少しばかり心配ではあるようで、メルートに小声で問う。



「セロクとティアラ姫を合わせてしまって大丈夫なのですか?

リューン様は何を考えているのです……。」



「…私にも分かりかねますが……。きっと、この場で処分を決めるつもりなのでしょう。」




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