家政婦のメイド派遣します!
「いらっしゃい、桃子。」

直樹とともに社長室のドアを開けるとちょうど祐樹の秘書が3人分のお茶を用意しているところだった。

祐樹は誰かと電話で話をしているようで桃子と直樹にソファに座るように促すと再び、電話の相手との話を再開する。

桃子は眼の前に置かれたティーカップにそっと口をつけた。

ほんのりと香るアールグレイの香。

この品種は桃子が良く好んで飲んでいるものだった。

仕事中はコーヒーしか飲まない祐樹と直樹は桃子との打ち合わせの時には決まって秘書にこの紅茶を用意させる。

些細な気遣いだが、この2人は事あるごとにこうやって桃子を甘やかすのだ。

「なあ桃子、そろそろ俺の秘書にならない?」
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