テレビの中の、人。

2


「ビタミンKさんですよね?」


「・・・あれ?今の店の子?」タイチが言った。

Komachiの、統一されたコスチュームで、

すぐ分かったんだろう。


「そうです。先程は、komachiへようこそ!」

ミズキが言った。


「ああ、どうも。」

しっかり者の、リョウが言う。


「うちら、店に入って来た時、すぐビタミンKだって分かりましたよ!」

「今日、会うの2回目です!」



「え?」

3人はキョトンとした、けどすぐに、


「あれ?・・・劇場来てた?もしかして。」

リョウが言った。

続けてサトシも、「あ~、そういえば・・・」

お調子者のタイチだけが、見覚えないみたい。



「今日、ってよりも、毎回のようにルミネ行ってますよ!」

「だから、うちらにしたら、ビタミンKはよく見てます♪」


「そっかあ、ありがとうね~。」



そう言って、挨拶程度しばらく話して、

すぐお別れして、店に戻った。

仕事中で長話しもできないのと、売れてないとは言え、

一応芸能人だし、やっぱり、それなりの対応しかしてくれない。




だけど、後に・・・

この3人組が、いずれゴールデンの帯を持ち、

バラエティー番組の司会や、レギュラー本数もたくさん持つ、

大物タレントになるとは、この時誰も想像できなかった・・・。





店に戻ると、アラキが待っていた。

「ヤバイ!興奮したね!喋ったよね~!」

ミズキと顔を見合せてはしゃいだ。


「よかったね~♪」アラキがのんびりと言う。






今夜、komachiにあの3人組が来たことが・・・、

あたしの運命を大きく左右する

はじまりだった・・・。




この先何があるのか、

そんなこと、知るよしもなく

ただ、はしゃいでた。この時が、一番よかったのかもね・・・



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