スコープ
浦西と美春は手をつないで走っていた




あるマンションの前で浦西が止まった。



「はぁはぁ…ちょっと失礼…します…」

息をきらしながら、電話をかけた。
白い薄い携帯だ。
浦西によくあう。


「トム?車貸してくれっ」


「え?」



すぐに浦西の弟のトーマスがマンションから出てきた。

仕事から帰ってきたばかりなのか、
ジーンズに黒のライダースをきていて、
寝る格好ではない。


トムはトーマスの愛称らしい。



「お兄様には珍しいことで」

トーマスは眠そうにしながら車のキーをちらつかせた。
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