ブルーブラック2
「ちょっと待って、ゆり··」
「智さんは優しいから」
俯いたまま百合香は肩を上下させてぽつぽつと言葉を紡ぐ。
「優しいから、あの手を振りほどけなかっただけなんですよね」
智は問いただすのを止め、呆然として百合香の話を聞くだけだ。
「だけど――――そういうの、私には耐えられません!!」
そう言い捨てて百合香はその場を走って行った。
智はくしゃっと自分の髪を掴んで悔しさと苛立ったような顔をして百合香の背中を見ていた。