ブルーブラック2
そしてようやく青になった信号を誰よりも先に渡ると、立ち止まったままの百合香の肩を掴んだ。


「百合··香」


決して振り向かない百合香の顔を智が見てみると、瞳に涙を溜めて堪えている百合香が見えた。

落ち着いてみれば、今掴んでいる肩も小刻みに震えている。


「―――どうして黙ってた?言ってくれなかった!?病院に、行ったなんて!」


今にも泣きそうな百合香を気遣う前にどうしても先程知った事実が衝撃すぎて智は先にそう言ってしまう。


「何かあったのか?病院にはなんで――――」
「智さんは、新入社員のお世話に忙しそうだったので!!」


百合香は語尾を強めて、でも震えた声でそう言った。


「いつから··あそこに―――」
「この間も廊下で仲良くしてましたよね」


それは一瞬いつのことかわからずに戸惑う智だったが、あの美咲から番号を渡された時のことだと思い出す。


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