ブルーブラック2

4.心の色



どんなに苦しくても皆平等に朝が来る。


百合香は一夜を椿の家で過ごして朝を迎えた。

食パンとコーヒー。

男の一人暮らしはそんなもんだろう。
朝食をとるだけでも褒められることかもしれない。


百合香はトーストしたパンを小さく頬張ってボーっとテレビを見ていた。


「姉ちゃん!」
「えっ?!」
「さっきから呼んでるんだけど!」


椿が呆れてそういうと百合香は慌てて焦点を椿に合わせた。


「オレもうそろそろ出なきゃなんだけど、鍵··」
「あ!ごめん!大丈夫!!私も一緒に出るから」


そう言って食べかけのパンを慌てて食べ終えると支度を急いだ。


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