ブルーブラック2


「ふーっ・・・」


そこに大きな溜め息をついたのは今まで黙りこんでいた智だった。


「――せっかく矛先を向けないようにしていたのに・・・っていうのが間違いだった」


続けて話す智を今度は全員が見る。

智はそっと百合香を引き寄せて優しい瞳を百合香だけに向けた。


「初めから、こうしていればよかったんだな」


そう言って智は百合香の肩に手を置いて、頭を撫でた。
そんな二人の甘い雰囲気に今度は隼人が口を出す。



「そんなのっ・・・おれが認めません!」


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