ブルーブラック2
「まさか柳瀬くん狙い···?!」
「えっ··」

(まさか!)


百合香はあり得ないと心の中で思い切り首を横に振った。
なぜなら彼の左手にも百合香と同じ指輪がはめてあるのだから――。


「それはいくらなんでも···店長だし、何か話があったんじゃないですか?」
「んー···でもなんか怪しく感じるのよね···第六感てやつ?」
「や、やめてくださいよぅ~··」


綾の言うことはいつでも信憑性があって百合香はそんな綾の言葉を聞いて一気に血の気が引く。

智だけでなく、百合香にも独占欲や嫉妬という感情はあるのだ。


「ごめんごめん!脅し過ぎた!まぁ柳瀬くんに限って浮気なんてありえないでしょ!彼女はわからないけど」
「····」
「フォローになってなかったね···」


そして百合香は綾と別れていつもの駐車場に先に向かった。
ほんの些細な不安なのに物凄く落ち込んで智を待っていた。


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