ブルーブラック2
*
「智さん、見てください!」
智が帰宅するなり百合香が笑顔で玄関に走り寄ってくる。
「ただいま。なに?」
「“桜”です!私の!」
掌にあるのは結婚する前に智が手掛けた世界にひとつだけの万年筆、“桜”。
百合香の手にある“桜”は智の“桜”とは素材が違っていて、対になっているようなもの。
智の“桜”は木目に金色のクリップ·リング。
百合香の“桜”は白いボディに桜がちりばめられたようなデザインで、リングはシルバーだ。
「―――ああ。名前、入れたの?」
「はい!目立たないけど···クリップに」
百合香の“桜”のクリップに小さくアルファベットで名前を彫ってもらったらしい。
そこには【 Yurika.Y 】と素掘りされていた。
「智さん、見てください!」
智が帰宅するなり百合香が笑顔で玄関に走り寄ってくる。
「ただいま。なに?」
「“桜”です!私の!」
掌にあるのは結婚する前に智が手掛けた世界にひとつだけの万年筆、“桜”。
百合香の手にある“桜”は智の“桜”とは素材が違っていて、対になっているようなもの。
智の“桜”は木目に金色のクリップ·リング。
百合香の“桜”は白いボディに桜がちりばめられたようなデザインで、リングはシルバーだ。
「―――ああ。名前、入れたの?」
「はい!目立たないけど···クリップに」
百合香の“桜”のクリップに小さくアルファベットで名前を彫ってもらったらしい。
そこには【 Yurika.Y 】と素掘りされていた。