ブルーブラック2
「び、びっくり···」
「おれもです!最近は全然椿くんに連絡してなかったから。してたら先に教えてもらえたんでしょうけどね」


百合香が固まったままなのをいいことに隼人は手を未だ握っていた。
智の痛い視線に気が付く筈のない2人に変わって気を利かせたのは綾だった。


「はい!熱い再会はここまで!開店まで時間ないよ!」


その一声で隼人はパッと手を離すと、百合香ににこっと笑顔を向けて聞いた。


「百合お姉さん、1階?2階?」
「2階だけど··」
「じゃあ一緒だ!よろしくお願いします!」
「う、うん」


そんな偶然の再会を見ていたのはそのほかに美咲もいた。
美咲はそんな再会に興味はないようで、すぐに視線を逸らして自分の磨かれた爪を眺めている。

そしてふと隣に立っている智に視線をずらした。



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