黒い翼


その時、俺はサボる為に、今は物置にしか使われていない旧校舎にいた。


次の授業は日本史。


だって歴史とか興味ねえもん、俺。


大事なのは今だろ?


大昔のこと振り返ってどうすんだよ、戦争またやっちゃうくせに。


結局、何年後かにはおんなじこと繰り返すクセに~。


……おんなじ…こと…。


そこで俺は苦い想い出を思い出した。


「………………………」


一昨年の出来事。


俺は好きなヤツにフラれた。


悲しすぎるよ?


実際。


結婚考えてたしね、俺。


家に帰って泣いたわ。


マジで近所迷惑だったと思うよ、俺。


わんわん泣いたからね、俺。


もうね、すっげー好きなの。


今も昔も。


言葉なんて、量なんて、表せないくらい。


バカみたいに。


心酔っていう言葉がぴったしなんじゃないかっていうくらい、惚れこんでんの。


アイツには秘密だけどね。


だから、もちろんのことアイツの前じゃ仲のいい友達ヅラしてんだけど。


クラス違うし、教室の階も違う。


オマケに寮も一棟はさんで隣だし。


だから滅多に会えない。


会えて目があった時なんか、マジ運良い日。


んで、笑ってくれた時なんか天国。


一日中ピンク色。
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