黒い翼

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「う…わぁあああああ!!!」


「!!?」


瀬来が取り乱す。


手を頭にあて、狂ってしまったかのように。


我ながら酷なことをしたと思う。


さっきまであたしを梗だと思い込んでいて、でも違って。


梗はもう死んでいると聞かされて。


「嘘だ！そんなのウソだ！僕は信じない！」


「う゛」


彼は喚きながらあたしを蹴る。


「梗は僕をだましてたの…？そんなことないよね？だって梗は僕のものだもんねぇ…？」


ゆらりゆらりと、ケタケタと笑いながらあたしを何度も蹴る彼は異常だった。


そこまでして梗に依存する彼は異常だった。


――誰が


誰がここまで追い詰めた？