rain girl
とりあえずヒカルの家に向かうハル。
後ろを全く見ず、前を向いて全力疾走。
雨で上手く走れない。
だけど、一刻も早くヒカルのもとへ。
ヒカル、大丈夫なのか?
あいつらに酷いこと言われたのか?
俺なら、全て受け止める自信があるのに。
どうしてヒカルは俺の方を向いてくれない?
ハルの頭を駆け巡るヒカルへの想い。
そしてハルはあるアパートの前で止まった。
どこにでも有りそうなごく普通のアパート。
そう、ここの二階の奥の部屋がヒカルの家なのだ。
ピンポーンとチャイムを鳴らすハル。
だが何一つ応答は無い。
もう一度、焦りながらも自分に落ち着くようにいい聞かせながらハルはチャイムを押した。
「………」
やはり家の中からは何の物音も聞こえてこない。