赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「はい」

返事をすると、ゆっくりドアが開く。

金の髪が見えた途端キサラは思わず体を強張らせてしまった。


自分では気にしていないと思っていたが、首を締められたときの恐怖は体に染み付いていたらしい。

冷たい瞳と目が合うと、金縛りにでもあった気分になる。


恐怖を和らげるため、無意識に止めていた息をゆっくり吐き出した。


「……今、帰られたんですか?」

声が震えない様に気を付けながらそう声を掛けた。
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