赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「大抵は、さっきみたいに何かしら不幸な事が起きて皆あたしから逃げて行くんです。でも、たまに辛抱強く側に居ようとしてくれる人がいて……」

思い出すと心が抉《えぐ》れる程に辛い。

側に居ようとしてくれた人達は、皆優しい人だった。


「でも、あたしの側に居ようとすればする程不幸は連鎖的に起こるんです」

熱湯を浴びるなどは序の口。

外に出れば野犬に追われ、蜂の巣にぶつかり顔中刺され、肥溜めに落ちるなど。

日に日に悪化して行った。


一番酷い人などは、野生の熊に遭遇し危うく死んでしまう所だった。
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