赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「えっと……クリスさん、でしたっけ?」

「いえ、クルスです」

苦笑いで訂正された。


「す、すみません」

「いえ、良いんですよ。良く間違えられますし。それより本当にどうなさったんですか? そんなに慌てた様子で」

「え?」

言われて気付く。

セラに授業と称して振り回され髪はボサボサ、ドレスも少しよれている。

村ではこの程度の格好は普通だが、伯爵の婚約者としては恥ずかしかったかもしれない。
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