赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「あ、キサラ様。どうなさったんですか?」

キサラに気付いた御者が声を掛けてくる。


深緑のコートを着た御者はまだ若く、茶色の長い髪を後ろにきっちりと纏めている。

平凡な顔だが、伯爵家の御者らしく身なりを整えているので好印象を受ける。


キサラを村からここまで連れて来たのも彼だ。

(確か名前は……)
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