赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「吸血鬼ってもっと根暗なんじゃないの? 何でそんな太陽みたいな髪なの?」

根暗呼ばわりされたジュークは流石に頬を引きつらせる。

だがやはりキサラにはその顔が見えない。

見えないから、尚も続けた。


「なのに実際の太陽には弱いし。日傘とか情けなさ過ぎるっ」

「……」

それは自分でも思っていたため、ジュークは何も言えなくなった。


そうしてキサラはまた暫くジュークの胸を叩き泣く。

次にその濡れた唇から出た言葉は、心の奥にしまっていた本当に言いたいことだった。
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