赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
キサラを遠くにやろうとする者。

キサラを自分から離そうとする者。


相手が誰であろうとも許せない。


「言う事を聞いてくれれば? それはつまり、俺の側から居なくなれということか?」

「ええ、その通りですわ」

ジュークの問いに、悪びれもなくアンジーは言う。

嬉しそうに微笑む様は、それが当然の事だと思っているかのようだった。


「その子さえいなくなれば、貴方様はまた血を飲むために私の所へ来て下さるでしょう?」

「それだけのためにこんな真似をしたのか?」

怒りで声までもが震えてしまう。
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