君の声がききたい
それどころか…ますますドキドキが大きくなる…



ガコン

1階に着いたエレベーターの扉が開き…小走りで外に出た。


エレベーターを降りたところから、奏が外で立っているのが見える。

私は更に走って、奏に近づいた。




「よ」


私に気づいた奏は、無表情のまま私を見下ろして言った。



その顔を見るだけで、胸がドキドキする。

なんか今日の奏は、いつもと違う…

なんか別の人みたい…




「んじゃ、行くか」


ぎゅ


私の手を握りしめ、歩き出す奏。

夏だというのに…奏の暖かい手を、つなぐことに抵抗がない。

むしろ暖かくて、安心する奏の手…




クイ



そんなことを思っていると…奏が握っている私の手を、歩きながら軽く引っ張った。




――『なんかおとなしいな…』



フンと…意地悪な顔をして笑う奏。




――『そんなことない…!』

――『もうヤること考えてんのかよ。変態め』


なっ……!



――『考えてないよっ(///)』

「はいはい」
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