HERO
「何、何の話?」


来た、呑気なやつが。


こいつが最初から全部話してくれていれば、わざわざ本人に聞かなくてもよかったのに。



そして、こんな風に言い合わなくても済んだのに。


こんな風に、思わなくて済んだのに。



「わんこの馬鹿」


「え、何で急に」


「さっさと帰ろ、私、なっちゃんさんとは気が合わない」


「ちょっと何があったの」



慌てるわんこをよそに、私はさっさと荷物を持って部屋を飛び出した。


すぐに、わんこも追いかけてくる。



走ってたけど、もちろん男の方が足が早いわけで。


すぐに追いつかれた。
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