HERO
「何してるの」


「んー、なんか寝ちゃった」


「何この新婚さんみたいな寝方」


「新婚さんみたいな寝方っていう意味はよくわかんないけど」



それよりこんなに普通に喋ってるにもかかわらず、全く起きる気配のないとーまって一体何。


ていうかね、私がとーまの肩にもたれてねて、その後とーまが私にもたれたせいで。



私の頭らへんにとーまがもたれてるわけですよ。


あのね、これじゃあ頭が動かせないんですけど。



「いつまでそうしてるつもり?」


「何、わんこ、妬いてんの?」


「うん」


「...へ?」


「嘘」



こいつめ、ぶっ飛ばしてやる。


一瞬のトキメキを返せ。
< 172 / 441 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop