HERO
高校生たちは、興味心身に私とわんこのやり取りを見てた。


そうそう、そうでなきゃ。



「しないなら、帰る」



ちゃんと見ててくれなきゃ、意味がない。


だってこんな中で絶対わんこはしないでしょ。



ていうか誰もいなくてもしないだろうけど。


意味のないキスは駄目、それがわんこのいつもの台詞だから。



「帰っちゃだめ」



それはもう、風のように早く。


でも力強く。



私の腕を引っ張って引き寄せて、その、唇に口付けをした。



自分でしろって言ったくせに、頭の中は真っ白。


高校生のキャーキャー言ってる声も、他人事のように思える。
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