HERO
「気に入らないみたいだけど、別に美亜に選ばせてもいいんだよ。まあ、答えはわかってるけど」



そう、だって私に選択肢なんて一つしか用意されてないもん。


わんこが引くしかないの、わかってよ。



私はここで、わんこと一緒に帰るわけにはいかないんだよ。



「美亜さん、帰ろう」



駄目、帰ろうなんて、言ったら駄目。


だって、それが意味するのは。



「ああ、そうか。美亜は嘘をついたんだな。住んでる所、あるんじゃないか」


「違う...違うの!」


「俺に隠し事するなって、昔言わなかったか?」



何も言っちゃいけない、何も言えない。


だから、私は、ただただ首を横に振ってた。
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