HERO
「どうしたの美亜さん、言わないとわかんない」


いつもみたいに、にこにこしながら言ってくれりゃいいものを。


さっきからずっと無表情で、何を考えて、何を思ってるのかわからない。



それが余計に、腹が立つ。



「嘘、わかってるくせに。むかつく、わんこなんか嫌い」


「嫌い...?俺のこと、嫌い?」



でた、わんこの必殺技。


この目、悲しそうな、切なそうな、この目。



嫌いなんて嘘だって、絶対わかってるだろうに。


演技か、こら。



でもその演技に、完璧にやられてる私。



「嫌い、じゃないの、違う...」



だから、その目はやめようよ。


胸が、どんどん締め付けられる。
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