HERO
「大学って、こんなもんなんだ」



思わず呟いてしまう。


楽しそうだなんて、これっぽっちも思わない。



「美亜さん、大学をどんなもんだと思ってたの」


「ミカンみたいなやつ」


「ごめん、わかんない」



絶対馬鹿にしてるよこいつめ。


だって、必死に笑いを堪えてるのが丸わかり。



「美亜さん美亜さん、今からこの教室に入るんだけど...」



まだ笑いを堪えながら、たどり着いた教室の前で立ち止まった。



開けっ放しのドアから見えるのは、数十人の生徒がいる少し大きめの教室。
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