ご奉仕ワーリィ


言いながら、彼がシャツのボタンを片手で外していく。


「思う存分、貪ります。我慢して取り繕っていた今まで――紳士的に、優しく、痛くないように、陛下の自尊心が傷つかないように、できるだけソフトな、くわえてノーマルなものを心がけてた今までは、もうおしまいとしましょう。

何せ陛下は、俺と同じぐらいの愛情をお持ちなようですから」


前半は気が遠くなる思いをしたのに、後半で意識を引き戻される。


『俺と同じ愛情』とは、つまり。


「俺がどんなことをしても、きっとあなたは受け入れてくれるでしょう」


その言葉に間違いはなかった。


彼がやることなら、私は全てが愛しいと思え、て……


「あの、そのロープは、どこ、から……」


「俺の愛情を存分に、ご堪能くださいね」


笑う彼の背中に、黒い羽が見えた気がした。


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