君を迎えに
手
私たちは小学校卒業まで同じクラスだった。
朝玄関を開けると彼が立っていて、いつも一緒に行った。
最初はすごく驚いた、わざわざ迎えにきてくれたことに。
「…陽平くん、わたしの家って遠くない…?」
「ん…へーき、自分が迎えにいきたいだけやから」
半歩先を歩く彼はちょっと赤くて、それを見たわたしもあったかくなった。
「…顔赤い」
「えっ」
あわてて手で顔をおさえると、くすくす彼が笑ってるのがみえてまた赤くなる。