恋。ときどき雨



「ほらー、私たちの勝ち!」



笑顔の美弥から、視線を外す



「・・・なんで千里が先に帰ってんの?」



「美弥に、近道を教えてもらったんだ

 ・・・あれ、『道』っていっていいの?」



「れっきとした道です」



「・・・じゃあ、交通情報は猫だけだね」



「・・・どんな道だよ」



・・・智樹君、楽しそう

やっぱり美弥が・・・



「由姫、どうしたの?」



「えっ・・・?」



「ずっと、ボーっとしてるじゃん」



「・・・・・・別に、大丈夫」



「ならいいけど・・・あ、由姫も家に来る?

 昼ごはん、千里たちが家に来るから」



何も知らず

笑顔で話す美弥



なんだか、ムカつく

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