恋。ときどき雨



「・・・お前、見たか?」



「見てない・・・」



それだけ言うと、手を外して・・・

そのまま抱きかかえられた



  キャーーー!



また、女の子の声が教室に響く



「ともき!!何してんの!?」



「ちょっと、黙ってろ」



そう言って、スタスタと廊下を歩く



そんな私たちは注目の的で・・・

出来るだけ顔を隠した



連れてこられたのは、保健室



「・・・10分、待ってろ。鍵は閉めろ」



それだけ言うと、上着を被せて

 出て行ってしまった



「・・・・・・・・・」


1人、残された私



言われた通り、鍵を閉める

上着には、智樹のシトラスの香りがして・・・
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