劣情誘うスーツ
「……お前
俺のスーツ姿見て、エロいこと考えただろ」
思わぬことを耳元で囁かれ、顔が熱くなる。
「な、何言っ……」
「俺は、欲情したけど……お前のスーツ姿に」
くるりと向きを変えられ──奪われた唇。
私を包むスーツの腕。欲望を制御するなんて、もう無理。
「……ね、もっとぎゅっとして」
堪らず零すと、彼は意外にも顔を赤くした。
「……バカ。煽りやがって。
後悔しても知らねーからな」
END


