遺伝子2
不思議とあの変な感覚には襲われずに、俺達はバイバイしながらお互いのお家に帰ったのだった。
「ただいま~~」
「おかえりなさい」
お母さんが夕飯の用意をする横をすり抜けて冷蔵庫に向かった。
―――バタン
荒々しく冷蔵庫を開けると、すこい勢いで麦茶を飲み始めた俺。
さっきジュースを飲んだばかりなのに、何故だかすごい喉が渇いていたんだ。
「一輝、ちゃんと手を洗ってからにしなさい!!しかも、直接飲まないの!!」
お母さんが横で怒っている声に反応する暇も無く、2リットルのペットボトルのお茶を飲み干してしまった。
やっと満たされた俺は
「は――い」
と元気良く答えた。
「一輝、あなた……」
そう言ったお母さんは、何かを考えている様子だったが、すぐにいつものお母さんに戻っていた。
「早く手を洗ってきなさい」
「うん」
俺は手を洗ってから居間に戻って、お母さんが作ってくれた夕飯を食べた。
俺の大好きなハンバーグとポテトサラダだったから、みるみるうちに平らげてしまう。
その後、いつも通りにお風呂に入り何の異変も無く過ごしていたんだ。
そう、眠るまでは……