遺伝子2
不思議な出会い

アレから五年の月日が流れ、俺は高校二年生になっていた。

あの日から人を愛する事を辞め、色恋な感情は全て封印した。

その徹底ぶりは、周りからはホモ説が流れる程だ。

しかし、中学生になり高校生となるに連れて、ヤツの影響は強くなって居る気がした。

それは、ごく普通に生活していての事。

たまにすれ違う女性がタイプだったら、男なら少なからず目で追ってしまう事が有るだろう。

そんな時、以前ならそれで終わっていたのだが、その直後にその女性が何かしら事故や怪我をしているのだ。

幸い死に至るほどではないが、酷い時は入院してしまう程で、何とも後味が悪い。


一体、俺が何をしたんだ?


たまに叫びたくなる時が有る。

そりゃそうだ。

思春期真っ盛りの時期に、一番興味深い恋愛と言う感情を押し殺して居るのだから……


< 27 / 36 >

この作品をシェア

pagetop