遺伝子2
今日は、なんだか体がダルい。
それに、朝起きてから異常に喉が渇くのだ。
きっと、ヤツの仕業だとは思うのだが、俺にはどうする事も出来ないのだ。
なす術も無く身を任せながら、とにかく渇いた喉を潤した。
何とか頑張って授業を受け、六時限目が終わった。
グッタリしながら帰り支度をし、フラフラしながら下駄箱に向かう。
男友達が心配してくれていたが、愛想笑いをする事さえ疲れたから、先に帰ってもらう事にした。
とにかく、辛いのだ。
何が起こっているのだろうか……
俺には見当もつかなかった。
ノロノロと靴を履き替えて校門を出た時、横を物凄い勢いで走ってきたと思いきや、俺の目の前に立ちはだかった一人の女性。
その人はゼーゼー言いながらも、何とか息を整え様としていた。
確か……隣のクラスで見かけた気がするな。
俺はため息をつくと、その人の横を無言で通り抜けた。
俺が関わる事で、この人に怪我をさせるのなら、いっそ関わらない方が良い。
そんな人の気も知らずか
「ちょっと待って!!」
と、背中越しに呼び止める彼女。