遺伝子2
「加奈、ありがとう」
そう言うと、加奈の肩を引き寄せた。
俺に寄りかかってくる加奈。
そんな加奈の手を握りしめながら、加奈にキスをした。
ファーストキス
俺にとっても。
加奈にとっても。
唇が離れた瞬間、恥ずかしそうに
「かずくん…好き」
加奈は潤んだ瞳で俺に言った。
―――ドクン
心臓が鳴る。
すると、プチッと音を立てて俺の中の何かがはじけた。
実は、そこからの記憶が無くなっていた。
気が付いたら、加奈に馬乗りになりながら加奈の首を絞めていたんだ。
「加奈、愛してるよ」
俺の口からは何度も加奈に愛を囁いていたのに、俺の手は加奈の首をドンドンと締め付けていた。
まるで愛情を表すかの様に……
どんどんと青紫になる加奈の顔。
「かず…く…ん……どう…し…て……」
声にならない声でそう言うと、力無く首がだらんと垂れ下がった。
加奈の瞳からは、一筋の涙が流れ落ちていた。