唇の観察会 【密フェチ】
テーブルの上の料理が綺麗に空になり、彼が満足そうに息を吐いた。
(ああ、今日の観察会も、もう終わりか)
「先輩、デザートも食べたいです」
「待ってて、ジェラードがあるから、」
私がグラスを置いて立ち上がろうとした時、向かいに座る彼にその手を掴まれた。
「そうじゃなくて」
こちらを挑戦的な目で見据えながら、掴んだ私の手をゆっくりと口元へと運ぶ。
「こっちを食べたいんですけど」
彼の唇が私の指先に噛みついた。