笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『お嬢さん。
クリスマスに1人?』

後ろから声を
かけられた

聞き覚えのある
大好きな声

まさか…

そら耳かな…

そう思いながらも
振り返ると、そこには
笑顔の先生が立っていた

何で?

そこに先生が居るのが
不思議に思えた

まるで幻を見ているかのような感覚だった

『先生こそ1人?』

驚きと嬉しさを
隠しながら言った

『お互い寂しいなぁ』

わたしたちは
一緒に笑った

『みどりも凌も
デートだからね。
わたしは1人なんだ』

『じゃあその荷物は?』

とわたしが持っていた
荷物を指差す先生

『明日パーティー
するから、その
買い出しに来てたの』

『じゃあ今日は家で
家族で過ごすのか?


『それが…。
ママもデートで…』

わたしは
ため息混じりに言った

『帰っても1人かぁ』

『ところで先生は
こんなとこで1人で
何してるの?』

わたしの問いかけに
先生は

『カップルの観察』

なんて冗談を言った

クリスマスに先生に
会えるなんて、本当に
嬉しかった

先生の笑顔に会えた事が本当に夢みたいだった
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