笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
海からまた家に戻って
本当に別れの時

昨日泣いたおかげで
今日は泣かないで
済みそう

昨日ゆっくりだった
時間が嘘のように
今日は早く流れていく

何度もキスをした

『充電完了』

『わたしも。
また頑張れる』

最後のキスをする

名残り惜しそうに
少し激しく

そして抱き合って
ぬくもりを確かめ合う

今回会って、何度
同じ事をしただろう

それだけお互い
求め合っていたに
違いない

遠距離の鉄則
なのだろうか?

会った時にお互いの
愛が溢れてしまう

『じゃあ、また夏にな』

『うん。電話もメールも
するからね』

『俺も、するから。
お母さんによろしくな』

繋いだ手を離して
先生は走り去る

わたしは、先生の車が
見えなくなるまで
手を振り続けた

こうしてまた
わたしたちの離れ離れの生活が始まる
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