笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
【ぽふっっ】

誰かにぶつかって
キーホルダーと
マグカップを
落としそうになる

『時間ギリギリだぞ』

先生だった

少し安堵した表情の
先生が立っていた

『牧野が、お前が
戻っちゃったって
言うから、心配して
探しに来たんだよ』

『ごめんなさい。
でも、どうしても
買わなきゃいけないのを思い出して』

先生はわたしが
持っていた
キーホルダーと
マグカップを見た

気付いてないよね?

先生に買ったもの
だって事

気付かないで

お願いだから

『早く買って来いよ』

わたしがレジを
済ませると、先生が
待っていてくれた

わたしは先生と
みんなの輪の中に
溶け込んだ
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