笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『言わなくて、大丈夫
なの?夏海はそれを
我慢出来るの?』

『わからない。でも
言う勇気もないの』

沈黙が流れる

『わたしが先生を好きになったように誰かが
先生を好きになるのは
自然の事だと思うんだ。その子の気持ちを
勝手に先生には
伝えられないよ』

辛くてたまらなかった

口に出した事で、少し
楽になったような
気がした

『でも先生が好きなのは夏海なんだから
大丈夫だよ』

みどりの励ましが嬉しい

『距離って
難しいんだな』

凌の厳しい一言

自分でも、身に沁みて
わかっていた事

覚悟していた事なはず

『しばらく山本にも
会ってねぇな。今度
こっちに来た時に
会わせろよ』

『うん』

みどりと凌の
ため息が深い

そんな2人を見て
いるのがとても辛かった

わたしは2人の為に
何かしてあげられる事はないのか、考えていた

結局何も出来ない事
わかっているのに
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