笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
何から話していいのか
わからない

どう切り出していいのか

こんな時、先生なら
どうするんだろう

わたしはみどりを
支えてあげられない
かもしれない

『しまっちがね何度も
何度も謝るんだよ。
もういいよって
言っても』

困っているわたしを
見かねたように
みどりが言った

『あたしはしまっちの事恨んだりとか
全然ないのに』

みどりの目が
涙ぐんでいく

しまっちもよっぽど
辛かったんだと思う

みどりに最低の事を
してしまったしまっちはどんな気持ちだった
んだろう

わたしには、わからない

大人になったら
わかるのかな?

そんなの知りたくない

『みどり、辛かったね。でもちゃんとしまっちと話せて良かったね』

『うん。先生のおかげ。でも、何で先生は
わかったんだろうね?』

『それは、わかんない。しまっちに聞いた
のかな?』

『今頃、2人はどんな
話をしてるんだろ』

わたしはカーテンを
あけて、月を見上げた

明るい月はわたしたちを
照らしていた
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